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2013年 12月 11日

韓国は張成沢氏側近の公開処刑をいかにして把握したのか

12月5日インターネット版東亜日報(日本語版)japanese.donga.com

「北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長失脚の根拠として提示された2人の側近が公開処刑された情報を、当局は如何にして把握したのだろうか。北朝鮮の公式発表はなかったが、安保当局はヒューミント(人的情報)とシギント(信号情報)を有機的に組み合わせて関連情報を把握した。 」「公開処刑は労働新聞や朝鮮中央通信のような対外用メディアでは一切報じられない。北朝鮮は公開処刑を隠し、北朝鮮社会の内部には広く伝えられる方法で広報する。 (中略) この時に使われる手段が「第3放送」だ。安保省庁関係者は、「第3放送は、各家庭に有線でつなげられたスピーカーで放送される。ラジオとは違って電波を使わないため、外部からの盗聴が難しい」と述べた。第3放送は平壌(ピョンヤン)だけでなく、各都市・郡・里まで結ばれており、農漁村地域ではラジオよりも発達している。 (中略) にもかかわらず安保当局が処刑事実を把握できるのは、ヒューミントがあるためだ。安保省庁当局者は、「北朝鮮住民による平凡な人的情報だけでなく、処刑執行に関与した担当者の口から粛清の事実を聞く」と述べた。粛清の対象者が助けてほしいという手紙を様々なルートで韓国政府に送ることも頻繁に起こっているという。 特に先月末、張氏の側近である李竜河(リ・ヨンハ)行政部第1副部長と張秀吉(チャン・スギル)副部長が処刑されたことは、軍情報当局のシギントでも把握された。処刑の事実を北朝鮮軍首脳部に伝える過程で、対北朝鮮盗聴が捉えたのだ。軍はこれを北朝鮮の異常動向と判断し、国家情報院と共に関連情報を集め、北朝鮮の内部動向を時々刻々追跡してきたという。」

つまり、ヒューミントと軍のシギントによって得た公開処刑に関する情報を国家情報院と協力して関連情報と照合し、国会情報委員会で報告したということでしょうか。
ちなみに韓国軍のシギント部隊については、777司令部というものがあります。777司令部は、1956年に米軍が創設した対北情報機関を前身としたものであり、存在を秘匿するため、過去、「3275部隊」、「5679部隊」と度々、その名称を変えていましたが(すべての数字を足した一桁目が必ず7になることからスリーセブン部隊と呼ばれていた。) 、現在は、777司令部として国防情報本部令に明記されています 。国防情報本部令によれば、777司令部の業務は、「各種信号情報の収集・支援及び研究に関する事項を司る」とされています。なお、韓国軍はSIGINT収集用航空機としてRC-800をベースにしたペクトゥ(白頭)を保有しており、同機によって収集した電波情報は777司令部において処理・分析されているそうです。

※777司令部参考資料:「顔色を窺う軍首脳部に対する韓哲鏞のクーデター」『新東亜(518号)』2002年11月。「対北秘密情報 真実はこれだ 韓哲鏞前777部隊長の衝撃証言」『新東亜(519号)』2002年12月。国防情報本部令(国家法令情報センターホームページ参照)。
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by Imperialnavy | 2013-12-11 16:59 | その他 | Comments(0)


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