戦略とインテリジェンス

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2013年 11月 19日

危機の予防を妨げる要因

マックス・H・ベイザーマン、マイケル・D・ワトキンス『予測できた危機をなぜ防げなかったのか?』東洋経済新報社、2011年、73~124頁。

◆認知要因(人間のバイアスの作用)
 ・楽観幻想(コントロール出来ない事象をコントロールできると思い込む)
 ・自己中心性(自分の都合のいいように情報を解釈する。情報の政治化)
 ・将来の軽視(危機が起きるのははるか先だと思い込む)
 ・現状維持(嫌な選択と向き合わない)
 ・鮮明さの問題(鮮明なデータを目のあたりにするまで人は行動しない)

◆組織要因(構造的欠陥)
 ・環境スキャンの失敗(不注意や資源不足等により外部環境・内部環境に対するスキャンを怠る。シグナルとノイズの問題や情報過多による過剰負担)
 ・統合の失敗(様々な部署に散在している情報を集約して分析しない。点と点をつなぐことをしない。秘密性に伴う情報共有の失敗)
 ・インセンティブの失敗(洞察はあっても、行動に移すインセンティブが無い。縦割りや分権化による組織利益との衝突。)
 ・学習の失敗(教訓の形式知化の欠如。記憶の風化。知識管理の失敗)

これまでの記事で述べた「摩擦」や「不確実性」の要因であるとも言えそうです。
認知要因は教育や他人との相互チェックで是正していくしかないのでしょう。また、情報技術によってある程度の補正は可能なのかもしれません。
一方、組織要因を排除するには、当たり前ですが、環境スキャンと学習で得た情報を統合して、インセンティブが機能しやすい組織に改革していく必要があるということです。
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by Imperialnavy | 2013-11-19 09:24 | 戦略全般 | Comments(0)


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