戦略とインテリジェンス

ijnavy.exblog.jp
ブログトップ
2013年 11月 15日

不確実性の深刻化と戦略家の使命

マクレガー・ノックス「第十九章 おわりに 戦略形成における連続性と革命」『戦略の形成(下)支配者、国家、戦争』中央公論新社、2009年、510、517頁。

「画像撮影、監視、暗号解読のためのシステムの能力や範囲が飛躍的に拡大するのに従い、クラウゼヴィッツが軽視したインテリジェンスは、現代の戦略家にとって高い重要性を持つようになった。しかしなから、「信号」と見られるものを「ノイズ」や欺瞞情報と区別するだけでなく、収集された膨大なデータを迅速に処理し、敵の能力や意図を判断し、そのドクトリンやイデオロギー上の盲点を見抜く一方で、自国の分析担当者の盲点を解消するというシステムは欠落していた。その結果、不確実性は残存しただけでなく、より深刻化した。」「少なくとも、戦略家は謙遜や、冷徹かつ歴史を踏まえた批判的な分析、そして勝利にあっても自己満足しない態度をもって、自分自身と潜在的な敵対者、その強さと弱さ、そして先入観や限界を明確に理解しなければならない。(略)戦略家は敵の弱点を正確に見抜き、奇襲攻撃によってであれ、消耗戦によってであれ、あるいは戦争によってであれ政治・経済上の闘争によってであれ、その弱点を攻撃できるように準備しなければならない。」

要約すると、情報技術の発達でインテリジェンスの価値が高まったものの、分析担当者自身の認知能力自体は改善しなかったため、結局のところ不確実性はノイズ情報の増大によってむしろ増加したということでしょう。そのため、少なくとも先入観を排して敵の弱点をしなければならないことが説かれています。ただ、敵の弱点を把握するといっても一体どうすれば把握できるの?という疑問もあります。これについては例えば米軍の重心理論などがありますが、これについてはまた後日。
[PR]

by Imperialnavy | 2013-11-15 23:48 | 戦略全般 | Comments(0)


<< 作戦・戦術インテリジェンスの特質      作戦インテリジェンスに必要な戦... >>