戦略とインテリジェンス

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2013年 08月 25日

リアリズム その1

モーゲンソー『国際政治 権力と平和』福村出版、1998年、69頁
「宥和政策は(相手国の)帝国主義政策を現状維持政策と取り違えてしまうことによって誤りを犯す、堕落した妥協政策だといえよう」「宥和政策をとるものは帝国主義国が次々に出してくる要求の目的を合理的に限定されたものとみなす」「宥和政策をとるものの誤りは、帝国主義の要求が決してそれだけで独立しているわけでもなければ、また特定の不満から生まれたものでもなく、ついには現状の打破をもたらすに至る鎖の輪のひとつにすぎないということを見落としている点にある」

中国の意図を考察する際に参考になる一文です。
例えば尖閣問題。中国は日本の国有化があたかも現在の対立の発端のように主張しています。しかし、国有化以前に、1971年の突然の領有権主張、1992年の領海法制定、2008年の海監の領海侵犯といった中国政府の現状を変更しようとする一連の行為があったわけであり、こうした行為こそ対立の原因であったと言えます。今、思えばこうした一連の行為は「現状の打破をもたらすに至る鎖の輪」の一部だったのでしょう。要は何事もまずは時系列で分析して各事象の関連をよく考える必要があるということです。
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# by Imperialnavy | 2013-08-25 13:21 | 戦略インテリジェンス | Comments(0)